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流通機構の変革は、上記の商慣行をはじめとする様々な取引慣習の改善によって推進されることになった。 しかし、改善の本質的な課題は、独占禁止法の理念の実現である。
私有財産を認め、競争原理をとりいれ、個人の自由な意志に基づいた経済活動の促進によって、消費者利益を保護するという基本的なルールを確立する中から、国民経済の民主的な発展を期すものである。

わが国における独占禁止法の運用の歩みは、そのまま「商慣行改善」の歩みであったとも言う事ができる。
主な事件を顧みると、次のようなものがある。
卸売価格、小売価格を引上げ、この価格を卸売業者、小売業者に守らせた「N醤油事件」(昭和32年)、自社製品の値下がりを防止するため、販売先卸売業者、小売業者を登録制とし、登録しない業者への販売を禁止した「H事件」(昭和51年)、小売価格を維持するために特約店に対して並行輸入品を扱う小売業者への商品供給を禁じた「O事件」(昭和52年)、その他、「M再販事件」(昭和52年)、納入業者に対して押しつけ販売、あるいは売り場改装・催事費用等を「協賛金」と称して負担させた「M事件」(昭和57年)など。
こうした事件の積み重ねの中で、不当な取引制限、不公正な取引方法への理解が少しずつ広まっていった。 これまでに改善・是正されるべき慣行、あるいは禁止対象行為として検討されてきた主な課題は次のとおりである。
「再販売価格維持行為」「再販売価格維持行為」とは、メーカー、あるいは総発売元が流通の各段階ごとに再販売する価格を指定し、一定の拘束力をもって販売価格の維持を図る行為である。

このような行為は、卸売業者間、小売業者間の自由な価格競争を阻害する独占禁止法上の競争制限行為に当たるとして、昭和57年、公正取引委員会は、小売価格130円以下の化粧品24品目、大衆医薬品26品目、また書籍、新聞、雑誌、レコードなど著作権法上の「著作物」を適用除外とした他は、違法性の極めて強い不公正な取引方法に指定している。
再販売価格維持制度はもともと、十九世紀末のイギリスの大衆医薬品業界に始まった制度であると言われている。
当時、イギリスでは大型小売業が登場し、大量仕入れ・大量販売による薄利多売が行われ始めたことから、小規模小売業の経営が成り立たなくなった。
そこで、小規模小売業団体が結束し、メーカーに対して小売価格の指定を要求することにより、大型小売業との価格競争の回避を図ったのが最初であるといわれる。

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